槍の名手として知られた戦国武将の可児の才蔵。同郷の明智光秀に家来として仕えた際に「人はやたらに死んだり殺し合ったりしてはいかぬもの」という教えをいただいた。その言葉を守り、生涯で13回の「転職」をして生き長らえた才蔵の心得は、現代にも通ずるものがある。

［目次］

1　戦国就職戦線
2　就職するということ
　　　尾張蜂須賀党、初陣の功名、一色城攻め
3　勤めてはみたけれど
　　　募集広告、織田勢来攻、口にくわえて
4　が、働かねばならない
　　　年上の女、不義は法度、信長岐阜占領
5　転職はどうか
　　　転職志願、本国寺包囲、姉川合戦
6　勤めとは奉公か
　　　休暇身分、刀根山峠合戦、気の合う二人
7　就職放浪記
　　　男の妬情、於市御前、前田利家激怒
8　技術を身につける
　　　就職戦術、松永久秀、酒池肉林
9　働くことは必要か
　　　可児才蔵プロ、鳥もち封じ、明智光秀の朱槍
10　それでも勤めるか
　　　九回目の就職、秀吉の美濃攻め、勝家出動す
11　光秀みたいに
　　　旗をたてて、秀吉一の甥、信長殺しの元兇
12　就職の心得
　　　君と寝ようか五千石、最後の一計、世は儘ならぬ
13　働きがいとは
　　　夫と妻の間、尾張二十四万石、石田三成の挙兵、関ガ原合戦
14　最後の働き場
　　　旅の風来坊、岩をちぎる男、豪傑製造、酒（きす）ひけば、英雄と豪傑、諜報武者、
　　　女の執念、ああ遅すぎた、大阪の暑い夏