葉天士医案解説〈全11巻〉

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葉天士 原著/金子幸夫 解説
菊判(220×150mm)/函入り/総約6500頁

葉天士の医案集は、『臨証指南医案』の外に6種類の医案集が知られている。本書は、『臨証指南医案』を除く6種類の医案集に記載されたすべての医案を詳細に解説した全集である。

■『続刻臨証指南医案』(上・下 全1078頁)
巻一は『温熱論』と『種福堂公選医案』からなり、『温熱論』は衛気営血学説を創成して温病の弁証論治体系を確立した医書の一つ。『種福堂公選医案』は葉天士の新たな医案集である。巻二から巻四までは『種福堂公選良方』と命名され、救急時に使用された当時の処方集である。

■『三家医案合刻・葉天士医案』(454頁)
呉子音が1831年に刊行した医書である。3巻からなり、巻一が『葉天士医案』である(巻二は『繆宜亭医案』、巻三は『薛生白医案』)。『三家医案合刻・葉天士医案』は、医案総数がわずかに132案で少数ではあるが、個々の医案の記述が極めて詳細で精密である。

■『葉氏医案存真』(上・下 全1414頁)
1836年に刊行され、全3巻からなる。本書は、内傷と外感の医案の内容がいずれも充実しているので、『臨証指南医案』をコンパクトにまとめあげた医案集であると言ってもよいだろう。6種類の葉天士の医案集の中では、先ず最初に読んでみたい医案集である。

■『葉天士晩年方案真本』(上・下 全964頁)
葉天士の晩年の医案であり、大多数は雑病で一部に婦科の医案がある。本書では、症例毎に姓名、年齢、あるいは住居等の文字があり、再診以後の診察はなく、かつて清代の徐霊胎の批評が加えられた『徐批葉天士晩年方案真本』が『中国医学大成・医案三十五』の中に収められている。

■『眉寿堂方案選存』(上・下 全1024頁)
郭維濬の編纂した抄本を曹炳章が『中国医学大成・医案三十五』の中に偏入し、1936 年に刊行した医案集である。原書は全2巻からなり、危険で重篤な医案が多く、連続した医案が少なくない。時病、婦科、児科の痘疹等が主であり、内傷の雑病は殆ど備わっていない。

■『未刻本葉天士医案』(上・下 全1432頁)
3種類の医案集(「方案」、「保元方案」、「葉氏方案」)からなる。ある年の夏から秋にかけて日々抄録した外来での医案と処方である。内科の疾患は比較的完全であり、暑瘧、痢疾、泄潟、咳嗽、気喘等の処方が多く、兼ねて虚損、痞満、噎膈、嘔吐、胸痺、心悸、内傷発熱等の雑病がある。

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